vSphere HA でホスト障害発生時に、当該ホスト上で稼働中の
特定の仮想マシンをフェイルオーバーさせない方法について記載
します。
なお、本記事では以下の 2 パターンについて記載していきます。
・稼働中だった仮想マシンを他の正常な ESXi にパワーオフ状態
で再配置だけさせる方法 (パワーオンはされない)
・障害が発生した ESXi 上のインベントリに残り続けさせる方法
(仮想マシンは切断状態となる)
他の正常な ESXi にパワーオフ状態で再配置だけさせる方法(パワーオンはされない)
[仮想マシンのオーバーライド] の設定にて、特定の仮想マシンの
[仮想マシン再起動の優先順位] を “無効” に設定することにより、
ホスト障害発生時に当該 ESXi 上で稼働中であった特定の
仮想マシンを他の正常な ESXi にパワーオフ状態で再配置だけ
させることが可能です。
実際の設定方法としては、対象の vSphere HA クラスタを選択し、
[構成](設定)タブ → [仮想マシンのオーバーライド] を選択し、追加
をクリックします。
対象となる仮想マシンを選びます。
[仮想マシン再起動の優先順位] を “無効” に設定し、[FINISH] をクリック。
以上で設定は完了となります。
上記設定により [仮想マシン再起動の優先順位] を “無効” に設定した
仮想マシンは、ホスト障害時に他の正常な ESXi ホストにパワーオフ
状態で再配置だけされる動作となります。
個々の仮想マシンのカスタマイズ
https://docs.vmware.com/jp/VMware-vSphere/7.0/com.vmware.vsphere.avail.doc/GUID-CFD74742-26EA-4BED-A4FC-4E8F50A46C83.html
障害が発生した ESXi 上のインベントリに残り続けさせる方法
ホスト障害発生時に、当該 ESXi 上で稼働中であった仮想マシンを他の
ESXi に再配置させないようにする場合、以下 2 つの設定が必要となり
ます。
[仮想マシン再起動の優先順位] を "無効" に設定
かつ
vSphere HA の詳細オプション [das.reregisterRestartDisabledVMs]
を"false"に設定
[仮想マシン再起動の優先順位] を “無効” の設定に関しては、上述で記載
した通りの設定となります。
vSphere HA の詳細オプション [das.reregisterRestartDisabledVMs]
を “false” に設定する方法は、対象の vSphere HA クラスタを選択し、
[構成](設定) タブ → [vSphere の可用性] から [編集] をクリックします。
[詳細オプション] タブを開き、オプション: “das.reregisterRestartDisabledVMs”,
値: “false” を追加し、[OK] をクリックします。
以上の設定により、[仮想マシン再起動の優先順位] が “無効” に設定
されている仮想マシンは、他の ESXi に再登録されません。
実際にホスト障害が発生した場合、対象の仮想マシンは以下画像の
ように (切断状態) となります。